ブログ版/不動産業界の歩き方
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表札
○201×年8月・・男は、書斎にある小物入れの中を整理していた時、ある物を発見しました。郵便ポストの表札です。マンションの集合ポスト専用で、裏面がシールになっています。表には【名字】だけが印字されており、その事が過去を想い出させました。

○200×年・・当時、引越しをしてきた時に管理人から、『集合ポストの表札は指定の業者に発注してください。』と言われました。男は、管理人さんから渡された表札の申込書に、自分の名字・名前と、妻の名前を書いて提出しましたが、後日、送られてきたのは・・

【名字】だけが記載されたものでした。男は業者に電話をして、『申込書に記載した内容のものと違いますよ!』と言うと、業者は謝罪して、新たに作り直したものを送ると約束しました。そして・・既に送られてきた【名字】だけの表札は『返送はしなくていいです。』・・との事でした。

ポストの表札なんて1つあれば足りますが、予備用に1つもらったような得をした気分でした。手元にある表札は、当面は使うことの無いので、小物入れの中に入れました。その時に、その表札を使う日がきたとしたら・・それはどのような事態なのか?・・までは考えませんでした。

○201×年9月・・男は、集合ポストの表札を取り外し、新たな表札を取り付けました。作業を終えて、新たな表札を見ながら、(最初から、こうなる運命と、決まっていたのかな・・)と思いました。発注した当時、名字だけの表札を、『返送しなくていい』と業者が言ったのは(いつか使う日がきますよ・・)という意味だったのだろうか?・・男は、そんな事を考えながら、誰もいない部屋へ戻りました。

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