ブログ版/不動産業界の歩き方
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マイナス落し
〇大手系の場合・・契約による手数料収入は、決済前で未入金でも、営業成績として店が計上します。・・その数字はブロックや営業本部・・最終的には会社全体の営業成績として計上されます。・・で、その契約が白紙解約となった場合・・既に計上してしまったその数字を無かった事にはできません。社内手続き上、同額をマイナスする事で正します。

それを私は「マイナス落し」と呼んでいます。大手系のどこかでは、同じ隠語を使っているでしょう。(笑) この「マイナス落し」・・営業マンにとって最も辛く、恐怖です。たとえば、今月に手数料200万円の契約をしたとします。営業成績は200万円です。・・この契約が白紙解約となると・・その200万円の数字は0になるわけですが・・

会社や店としては、目先の数字は落としたくないので、「今月は落とすな!」と指示されるケースが多いのです。営業マンはさっさと白紙解約をしてスッキリしたいし、新たな気持ちで別の案件に集中したいのですが・・白紙解約を先延ばしにして、今月の数字がプラス200万円・・来月はマイナス200万円スタート・・を強制されるわけです。

白紙解約は売主、買主、共同仲介業者と合意文書を作成します。良い話ではなく、悪い話です。スムーズにはいかない場合もあります。さっさと終わらせたい手続きですが、会社の指示で先延ばしとなれば営業マンのストレスはMAXで、精神的に病むケースもあります。翌月ならまだマシで、翌々月まで引き延ばしをするケースもあります。

〇そもそも、白紙契約の大半は防ぐ事ができたケースです。しっかりと物件の調査をして、ローン申込前の事前打診も正確な情報で申告していれば防げた・・というか、契約にはならなかったでしょう。白紙になるくらいなら契約にならなかったほうが健全です。白紙解約の大半は、そもそも契約に無理があった事案で、それを見過ごした事による結果です。

見過ごした原因は・・充分な時間をかけず、契約を急いだことです。契約を急いだ原因は・・ノルマであり、会社都合の月末主義です。「月内に契約せよ!」・・この主義の強制により、契約当事者や担当者・・大勢の人が迷惑する事になるわけです。

〇私も長くやっているので、数百件のうち、何件かは白紙解約の経験があります。たぶん5件以下です。昔はローンの事前相談も今ほどの精度ではなかったし、他の営業マンと比較すれば驚異的に少ない数のはずです。はっきり覚えているのは1件・・

以前にも書きましたが・・たしか運転手の方で、白紙解約の手続きで来店の際、顔に目立つ引っかき傷が・・聞くと、「娘に引っかかれました。」とのこと。小学校の低学年くらいの小さい娘さんでした。うれしくて、お友達に「お家を買ったんだ!自分の部屋ができるんだ!遊びに来てね!」くらいの事は言ったでしょう。

お父さんが「お家は買えなくなった」・・と告げると、娘さんは泣きながらお父さんの顔を引っかいたそうです。白紙解約・・営業マンは自身の業績のマイナス落しでアタマがいっぱいかもしれませんが、お客の立場では、もっと厳しく、悲しい現実があるわけです。

あの時の引っかき傷を思い出すと、小さな娘さんの気持ちを想像すると・・ギューッと胸が締めつけられるようです。それ以降、会社からどんなに厳しい圧力や指示があっても、無理な契約だけはしておりません。不安要素のあるお客と賭けのような契約はできないのです。

それが会社員として、組織の一員として間違っていても、私にはできないのです。・・ま、そんなんじゃ出世するわけないよね。(笑) 組織で上の指示に逆らえば居場所を失い、転職回数は増えます。仕事が不安定ならいろいろ失います。

何が正しくて何が間違っているのか・・自分や家族のため、出世のためなら信念を曲げるべきか・・信念を貫き、自分が不幸になってもいいのか・・上手に生きるのは難しいですね。ま、上手に世渡りをしたければ私を見習うべきではありませんよ。(笑)ご用心。

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