ブログ版/不動産業界の歩き方
「不動産業界の歩き方」管理人によるブログ版の業界解説書。不動産仲介業の現状と動向を解説します。不動産業界への就職や転職を目指す方、新人の方、必見の不動産ブログ!

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〇賃貸の苦情でカッタルイのが「小さな音」の苦情です。付帯設備(エアコン・換気扇・他)が原因の場合・・管理会社やオーナーの対応となります。設備の小さい音や振動の場合・・素人では判断できないので、電気屋さん等のプロを呼ぶ流れです。設備の故障であれば、設備の所有者が費用を負担して直せば解決です。

しかし・・小さな音のクレームの多くは、いわゆる「気のせい」や「気にしすぎ」・・もしくは、心の病系の幻聴か、老化による聴覚の異常です。現実的には音なんかしないか、音がしても一般人は気にしないレベルです。ですから問題は解決しないし・・

立ち合いで呼んだ専門業者の出張料は誰が払うのか?・・という問題も発生します。借主の立場では、「苦情の連絡はしたけれど、出張料や修理費の負担があるとは聞いていないし、そんな依頼はしていない」と主張できます。

貸主側も、「結局、なにも壊れていなかったのだから、お金なんか払いません。」・・となりますよ。・・結局、調査の手配をした不動産屋が板挟みにあい、場合によっては調査費(出張料)を負担するケースもありえます。

ま、「とりあえず見ましょう!」と気軽に現場へ来てくれて、問題なければ出張料は請求しない工事屋さんもいますよ。でも、そんなケースが何回か重なると、次に工事を発注した際に、少し割高になります。工事屋さんも何処かで元は取りますよ。

不動産屋としては、どのように対応すべきだったか?

①借主に対して・・「もしも専門業者に現場を見させて、何も問題がなかった場合、その出張料は借主さんの負担になりますよ。」と事前に承諾をとる。

②貸主に対して・・「こんなクレームがありました。専門業者を向かわせますが、もしも何も問題がなかった場合でも出張料がかかります。貸主さんの負担でよろしいですか?」と確認しておく。

③専門業者に調査を依頼する際・・「なにも問題がなかった場合、出張料は支払えませんがよろしいですか?」と確認しておく。

ま、こんなかんじで、①②③のどれかで成功すれば、最悪でも不動産屋が負担するケースを回避できます。・・というか、そもそも不動産屋が自腹を切る事案じゃないしね。(笑)


〇問題が起こってからの対応も大事ですが、未然に防ぐのも大事です。老人、もしくは心の病系の入居者に対しては、契約時にキッチリ警告すべきです。たとえば・・

「お年寄り、もしくは心の病の方で、【音】に関する苦情を言う人がいます。ご本人には聞こえる【音】でも、聴覚の異常や幻聴の場合があります。そのような場合は、親族や保証人、役所を交えて話し合いの末、解決策がない場合は、親族が引き取る、もしくは専門病院への入院を前提として退去してもらう方針です。」

「音のクレームでは我々不動産屋も現地へ行くし、専門家も立ち合います。貸主にも報告します。それで幻聴や聴覚異常によるものであれば、多くの人が大迷惑します。たとえ社会的弱者による罪なき行為でも迷惑行為は放置しません。容認も黙認もしません。今、警告しました事を忘れないでくださいね。」と警告します。

ちなみに・・社会的弱者と対決する場合、社会的正義の立場は常に弱者側です。不動産屋は悪役で非難される側です。それでも、言うべき事はキッチリ言うべきです。言った効果はあります。遠慮して言わずにいると・・エンドレスで同じ苦情の繰り返しになります。ご用心。



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